帰化の前提となる国際養子縁組の手続について
連れ子のある方が日本人と結婚されているケースで、連れ子がまだ未成年者の場合は、法務局側から親子が一緒に帰化することを推奨されます。
逆に、親または子が一人だけで帰化をする場合には、それなりの正当な理由が必要となりますので、正当な理由がない限りは、親子一緒に帰化をするのが慣例となっています。
また、必ずしも養子縁組を済ませてからでなければ子は帰化申請ができないわけではありませんが、子が日本人の養子に該当する場合は、①住所要件と、②生計要件が緩和されるといったメリットが得られます。
そこで、帰化の申請をされる前提として、通常は、事前に身分関係を確定させておくようにします。
養子縁組をするに際して必要となる書類一覧
各自治体により異なる運営がなされていることもあるため、必ず事前に申請地の市区町村の戸籍課にてご確認ください!
☟必要書類一覧/養子の年齢☞ | 0歳~9歳 | 10歳~14歳 | 15歳~17歳 | 18歳~19歳 |
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①養親日本人の戸籍謄本 | ||||
②養親日本人の住民票 | ||||
③養子の国籍証明書 | ||||
④養子の出生証明書 | ||||
⑤実父母の同意書 | ※4 | ※4 | ||
⑥養子の同意書 | ― | ※6 | ― | ― |
⑦養子の独身証明書 ※1 | ― | ― | ― | |
⑧養子の配偶者の同意書 ※1 | ― | ― | ― | |
⑨養親の子の同意書 ※2 | ||||
⑩養親の配偶者の同意書 | ※5 | ※5 | ※5 | ※5 |
⑪裁判所の決定書 ※3 | ||||
届出人 | 養親 | 養親 | 養親&養子 | 養親&養子 |
代諾者 | 実母&実父 | 実母&実父 | 不要 | 不要 |
- ※1 18歳未満で婚姻が可能な国の場合に必要
- ※2 養親に10歳以上の同居している嫡出子、養子等があれば必要
- ※3 フィリピン等の離婚が認められてはいない国の場合に必要
- ※4 届出人となるほうの同意書は不要=届出人とならない方の同意書
- ※5 養親の配偶者(実母)が届出人とはならない場合に必要。「養子縁組届」のその他の欄に同意する旨を記載することで同意書に代えることができる。
- ※6 養子本人が届出人となる場合は、「養子縁組届」のその他の欄に同意する旨を記載することで同意書に代えることができる。
- ※7 ①②については養親の本籍地、住民票の住所地が申請の市区町村にある場合は不要
- ※8 ③④⑤については、日本語の翻訳文の添付も必要
参照関連条文
【民法;縁組の要件】
(配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)
第795条 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。
(配偶者のある者の縁組)
第796条 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。
(十五歳未満の者を養子とする縁組)
第797条 養子となる者が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。
2 法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。
(未成年者を養子とする縁組)
第798条 未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。
【国籍法;法の適用に関する通則法】
(養子縁組)
第31条 養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子となるべき者の本国法によればその者若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
2 養子とその実方の血族との親族関係の終了及び離縁は、前項前段の規定により適用すべき法による。
養子縁組届の記載例