「在留特別許可」の概要

在留特別許可」とはオーバーステイ、不法入国、無期または1年を超える懲役もしくは禁錮刑等により、本来、強制退去事由に該当すると認められる外国人に対して当該外国人の事情等を考慮して、その在留を特別に許可する制度です。

入管法第50条によれば、強制退去事由該当者が、以下のような要件に該当する場合に、法務大臣が自由裁量によってその者の在留を特別に許可することができるとされています。

  • 永住許可を受けているとき
  • かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき
  • その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき

上記の中で、一般的なのは、「その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき」であり、その中でも特に多いのは、オーバーステイまたは不法入国の外国人が日本人もしくは永住者と結婚している場合が挙げられます。


在留特別許可に係るガイドラインについて~平成21年7月改訂

在留特別許可には基準はなく、その許否の判断にあたっては,個々の事案ごとに,在留を希望する理由、家族状況、素行、内外の諸情勢、人道的な配慮の必要性、更には我が国における不法滞在者に与える影響等の諸般の事情を総合的に勘案して行うこととしており、その際に考慮される事項が以下の内容です。

  • 在留特別許可に係る基本的な考え方及び許否判断に係る考慮事項

【積極要素】

積極要素については、入管法第50条第1項第1号から第3号(注参照)に掲げる事由のほか、次のとおりとする。
1 特に考慮する積極要素
(1)当該外国人が、日本人の子又は特別永住者の子であること
(2)当該外国人が、日本人又は特別永住者との間に出生した実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって,次のいずれにも該当すること
 ア)当該実子が未成年かつ未婚であること
 イ)当該外国人が当該実子の親権を現に有していること
 ウ)当該外国人が当該実子を現に本邦において相当期間同居の上,監護及び養育していること
(3)当該外国人が、日本人又は特別永住者と婚姻が法的に成立している場合(退去強制を免れるために、婚姻を仮装し、又は形式的な婚姻届を提出した場合を除く。)であって、次のいずれにも該当すること
 ア)夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助していること
 イ)夫婦の間に子がいるなど、婚姻が安定かつ成熟していること
(4)当該外国人が、本邦の初等・中等教育機関(母国語による教育を行っている教育機関を除く。)に在学し相当期間本邦に在住している実子と同居し、当該実子を監護及び養育していること
(5)当該外国人が、難病等により本邦での治療を必要としていること,又はこのような治療を要する親族を看護することが必要と認められる者であること

【その他の積極要素】

(1)当該外国人が、不法滞在者であることを申告するため,自ら地方入国管理官署に出頭したこと
(2)当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格(注参照)で在留している者と婚姻が法的に成立している場合であって、前記1の(3)のア及びイに該当すること
(3)当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格で在留している実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって、前記1の(2)のアないしウのいずれにも該当すること
(4)当該外国人が,別表第二に掲げる在留資格で在留している者の扶養を受けている未成年・未婚の実子であること
(5)当該外国人が、本邦での滞在期間が長期間に及び,本邦への定着性が認められること
(6)その他人道的配慮を必要とするなど特別な事情があること

【消極要素】

消極要素については、次のとおりである。
1 特に考慮する消極要素
(1)重大犯罪等により刑に処せられたことがあること
<例>
・凶悪・重大犯罪により実刑に処せられたことがあること
・違法薬物及びけん銃等、いわゆる社会悪物品の密輸入・売買により刑に処せられたことがあること
(2)出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしていること
<例>
・不法就労助長罪,集団密航に係る罪、旅券等の不正受交付等の罪などにより刑に処せられたことがあること
・不法・偽装滞在の助長に関する罪により刑に処せられたことがあること
・自ら売春を行い、あるいは他人に売春を行わせる等、本邦の社会秩序を著しく乱す行為を行ったことがあること
・人身取引等、人権を著しく侵害する行為を行ったことがあること

【その他の消極要素】

(1)船舶による密航,若しくは偽造旅券等又は在留資格を偽装して不正に入国したこと
(2)過去に退去強制手続を受けたことがあること
(3)その他の刑罰法令違反又はこれに準ずる素行不良が認められること
(4)その他在留状況に問題があること
<例>
・犯罪組織の構成員であること

  • 在留特別許可の許否判断

在留特別許可の許否判断は上記の積極要素及び消極要素として掲げている各事項についてそれぞれ個別に評価し、考慮すべき程度を勘案した上、積極要素として考慮すべき事情が明らかに消極要素として考慮すべき事情を上回る場合には在留特別許可の方向で検討することとなる。したがって、単に、積極要素が一つ存在するからといって在留特別許可の方向で検討されるというものではなく、また逆に、消極要素が一つ存在するから一切在留特別許可が検討されないというものでもない。

  • 法務省入局管理居による公表事例

>>在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について

在留特別許可の出頭申告の流れ【配偶者事案の場合】

オーバーステイ 在留特別許可オーバーステイの状態で日本に滞在している外国人が、引き続き日本に滞在を希望する場合は、入管に出頭をして、入管法違反の状態を清算し、在留特別許可を得て、新たな在留資格を得なければなりません。ここではその一連の流れについてご紹介します。

日本 就労ビザ 申請必要書類の作成・収集・点検

まずは、出頭日に合わせて必要書類の準備をしてください。必要書類は一般的に以下のものですが、多くの場合、必要に応じて追加書類を要求されます。

  • 陳述書(指定様式、出頭日に記入)
  • 事情説明書(オーバーステイとなってから現在に至るまで)
  • 身分証明書
    • 旅券(パスポート)写し前ページ
    • 本人の在留カード、外国人登録証明書写し…出頭日に没収となります。
    • 本人の身分証明書写し(運転免許証、本国のIDカード等)
  • 履歴書(指定様式、出頭日に記入)
  • 婚姻の証明書
    • 戸籍謄本(婚姻事実の記載があるもの)
    • 外国人の本国の戸籍謄本、出生証明書等
    • 婚姻届記載事項証明書
  • 生活状況証明書
    • 配偶者の住民票(同居世帯全員分)
    • 配偶者の在職証明書(役員の場合は会社の登記事項証明書、自営であれば営業許可書等)
    • 直近1年間の年収が分かるもの(源泉徴収票、所得証明書、確定申告書等)
    • 納税証明書
    • 課税証明書
    • 年金、生活保護等の受給証明書類
    • 居住地の登記事項証明書もしくは賃貸借契約書写し
    • 最寄駅から居宅までの経路図
    • 配偶者の履歴書(市販のもので可)
    • 母子健康手帳写し(妻が妊娠している場合)
    • 子の在学証明書、出席・成績証明書
    • 預金通帳写し(全ページ)
    • スナップ写真数枚(特に結婚式、披露宴のもの)
    • 無犯罪証明書または推薦状(逮捕歴や犯罪歴がないことの証明書)
  • 身元引受人の身元保証書(指定様式、出頭日に記入)
  • その他
    • 上申書及び嘆願書(日本人配偶者、両親、家族、雇用主等)
    • 資格や免許を有している場合はその写し
    • 質問書(オーバーステイ後に婚姻した場合)
    • 事実の裏付けとなる証明資料等

オーバーステイ

日本 就労ビザ 入管へ出頭・受付を済ませる

書類が一式揃ったら、入管に出頭することになります。 各入局管理局の中には事前予約制の所もありますので、予め、確認をしておきます(※名古屋入国管理局管轄内の出頭のケースでは事前予約は必要ありません)。

必要書類を入管の係官に提出し、その後は順番がくるまで待合室で待機します。

待ち時間は込み具合にもよりますが、30分から1時間程度です(名古屋入国管理局の場合)。

順番が来ると別室に呼ばれ、担当調査官からオーバーステイをした理由についての事情聴取が開始されます。

事情聴取開始後に、出国命令制度及び在留特別許可についての説明がなされ、任意の帰国かこのまま日本に留まりたいのかの選択を迫られます。

在留特別許可を選択するとその際に必ず手渡されるのが「必ずお読みください!」と記された用紙です。

不法滞在

オーバーステイ

日本 就労ビザ 入国審査官の事情聴取

調査官は、提出された書類一式を点検し、事情聴取が開始されます。このヒアリングには数時間程度かかり、担当調査官にもよりますが、結婚までのいきさつや生活状況について等のかなり突っ込んだ質問がなされます。

単純なオーバーステイの事案で、他の刑罰法令に抵触していなければ、当日は2人揃って帰ることが出来ますが、これは「在宅案件」と呼ばれ、自ら進んで出頭した者で、日本人との婚姻の実態等を満たす容疑者は入管に収容こそされませんが、実態としては、形式的に書類上で一度収容した形にして、即時に仮放免を認めるという仕組みになっているからです。

また、提出したした書類に不足や不備があった場合は後から追加で提出します。追加書類は郵送でいい場合もありますし、直接入管に提出しなければならない場合もあります。

オーバーステイ

日本 就労ビザ 入国審査官の違反審査

提出書類や事情聴取などの結果をもとに、入管で慎重な審査が行われます。

この審査期間中に、事情聴取のために入国管理局に出頭を求められたり、入管職員から在宅確認の電話があったり、実際に自宅に訪問される場合もあります。

これらは、結婚生活の実態があるかどうかの調査をする為に行われます。

入管への出頭や必要書類の追加での提出を指示されたら速やかに応じることや、住所や家族構成等に変更があった場合は速やかに入管に連絡するように心掛けて下さい。

オーバーステイ

画像の説明法務大臣の裁決「在留特別許可

入管にて審査が完了し、在留特別許可・不許可の決定が下されたら、入管から再度出頭するように連絡が入ります。

在留特別許可・不許可が決定するまでの期間は、個々のケースによって異なりますが、だいたい半年~1年ほどで決定が下ることが多いようです。

在留特別許可が下りたら、外国人パートナーのパスポートに「日本人の配偶者等」の在留資格が記載されます。


今すぐ疑問を解決したい場合はこちらからどうぞ


メール相談

電話相談

無料面談

  • 事前にご連絡をいただければ営業時間外や土日祝日も対応させていただきます。