「永住者」の概要

永住者」とは、法務大臣が永住を認めた者で、その生涯を日本国内に生活の基盤を置いて過ごす者のことをいいます。

他の諸外国に見受けられるような、海外から永住者を受け入れる制度は現在の入管法上はありませんので、在留資格を変更するか取得するかの形で永住の許可を受けることになります。

永住者は厳密にいえば、①一般の外国人が、当初就労ビザや配偶者ビザ等の在留資格で日本に入国して、一定期間の日本での滞在を経て永住権を取得する者の他、②昭和20年(1945年9月2日)以前から引き続き日本(いわゆる内地に限る)に居住している平和条約国籍離脱者(朝鮮人、韓国人及び台湾人)とその子孫を対象としている特別永住者とに区分されますが、ここでは①の永住者のことを対象として記載をしております。


永住許可の要件について

入管法(出入国管理及び難民認定法)第22条では、以下の3つの要件に適合する場合に、法務大臣が永住を許可できるとしています。
 

  • 1)素行要件:素行が善良であること。
      法律を遵守し、日常生活においても社会的に非難されることのない生活を営んでいることが必要です。
     
  • 2)独立生計要件:独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
      日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれることが必要です。
     
  • 3)国益要件:その者の永住が日本国の利益に合すると認められること。
      
    • 3)-①.国益要件の補足
       
    • イ)原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
       
    • ロ)罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等の公的義務を履行していることが必要です。
       
    • ハ)現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していることが必要です。例えば、入管法上、「5年、3年、1年、6月」と在留期間が規定されている場合には最長の「5年」の在留期間を認められていることが必要です。

 

  • ニ)公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
  • 上記イ)に関する補足

「引き続き10年以上」であり、「通算10年以上」ではありません。したがって、一度、帰国してしまうと再来日時から「引き続き10年以上」在留している必要があります。

ただし、「再入国許可」を得て一時出国した場合には「引き続き」の要件は満たすことになります。もっとも出国期間が1年、2年等あまりに長い場合には「引き続き」在留と認められない可能性もありますので、注意が必要です。

「就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留」については、就労資格とは「投資経営」「技術」「人文知識・国際業務」など特定の活動に限り就労が認められている在留資格です。

居住資格とは身分・地位に基づき認められる在留資格であり、「永住者」以外に「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」があります。

なお、就労資格には該当しない、「留学」「就学(留学に一本化される予定)」については、留学生として入国し、学業終了後に就職している者については、就労資格に変更許可後、おおむね5年以上の在留歴を有していることが必要とされています。

  • 上記ハ)に関する補足

激変緩和措置の一環として、2012年7月9日の法改正施行前迄に、法改正前は最長の在留期間であった「3年」の在留期間が付与されている者又は法改正以降に「3年」の在留期間が付与された者に関しては、2012年7月9日以降も「5年」の最長の在留期間を有していなくても永住許可申請が可能です。
的に矢 現時点においては「3年」の在留期間を有していれば国益要件は満たします。

永住許可①~④の場合、上記イ)の10年在留の原則が免除(緩和)されます。

①日本人の配偶者、永住者の配偶者、及び特別永住者の配偶者の場合、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。
その実子等(=実子+特別養子)の場合は1年以上本邦に継続して在留していること。 蝶 「簡易永住」
 
②「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること 。
 
③ 難民の認定を受けた者の場合,認定後5年以上継続して本邦に在留していること。
 
④ 外交,社会,経済,文化等の分野において「我が国への貢献」があると認められる者で,5年以上本邦に在留していること。 「我が国への貢献」については法務省のページに基準が公開されています。

✿ 簡易永住とは

永住許可を申請される方が以下①から③のいずれかの場合永住許可の1)素行要件と2)独立生計要件が免除されます。いわゆる「簡易永住」にあたります。

①日本人の「配偶者または子」
永住者の「配偶者または子」
③特別永住者の「配偶者または子」

①から③の配偶者は、前述のように国益要件の一つである10年在留という原則が「実態を伴った婚姻生活を3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること」となり、条件が緩和されます。ただし、海外での結婚生活の同居歴がある場合には、婚姻後3年を経過し、かつ、日本で1年以上在留していれば良しとされています。

また、①から③の子のうち、普通養子を除く、実子と特別養子についても10年在留原則が「引き続き1年以上日本に在留していること」となり、条件が緩和されます(※普通養子の場合は、原則どおり10年以上の在留が必要です)。

さらに、永住者の実子が日本で生まれた場合、出生日から30日以内に在留資格取得申請を行なうことで、「在留資格の取得による永住の許可」を取得することができます(「出生永住」)。(特別永住者の子孫が日本で生まれた場合には、出生から60日以内に市町村を通じて特別永住許可申請をすることになります。)

申請人素行要件独立生計要件必要経過年数
一般の方 ✓  ✓  10年
日本人・永住者の配偶者等 -  -  3年
日本人・永住者の実子 -  -  1年
定住者 ✓  ✓  5年
難民認定者 ✓  -  5年
特別功労者 ✓  ✓  5年


「永住者」Q&A

Q 2012年7月9日の法改正施行後は、殆どの在留資格において在留期間が最長5年となりますが、申請人が2012年7月9日の時点において法改正前に最長の在留期間であった3年の在留資格を有している場合、永住許可申請はできますか?それとも、次回の更新後に「5年」の在留期間をもらってからでないと永住許可申請はできないのですか?

A 2012年7月9日施行の法改正には経過措置が設けられており、法改正後も3年の在留期間を有している者に関しては2012年7月9日以降も永住許可申請が可能です。

次回の更新を経て5年の在留期間が付与されるのを待って申請をする必要性はありません。


Q 現在、自動車販売業を営んでおり永住権の取得を考えています。在留資格は「投資・経営」で、丁度10年前に家族と一緒に来日しております。在留期間はあと5ヶ月残っているのですが、永住許可申請は、どのタイミングで申請したら良いのでしょうか?在留期間の更新時で良いのでしょうか?

A 永住許可申請のタイミングにつきましては、要件どおりに、原則的には10年が経過してからの申請となります。

ご注意頂きたいのは、永住許可申請を行ったからといって、現在の在留資格の期限が過ぎても大丈夫ということにはならないということです。

通常、永住許可の審査期間につきましては、6か月前後とされておりますので、現在の在留資格の更新をされないままでいると、在留期限が到来してしまい、不法滞在となってしまいます。

在留資格の期限が迫っているようでしたら、先ずは、一旦在留期間更新手続をされるべきですが、在留期間更新許可申請は永住許可申請の先でも後でも同時でも任意のタイミングで構いません。


Q 日本での生活にも慣れ、仕事も家庭生活の方も順調なため、住宅を購入し、このまま日本にしっかりと腰を押しつけて働きたいと思います。銀行でローンを組もうとしたら永住者の在留資格が必要だと言われました。来日してからまだ10年たっていませんが、永住許可申請をすることは可能でしょうか?

A 永住許可の要件の1つに、10年以上継続して日本に在留していることがあります。取り立てて急ぐ必要性がないのであれば、10年たってから申請されたほうがよいでしょう。

ただし、在留歴が10年に満たない場合でも、許可を取得できるケースがあるようですので、入管も申請人の在留状況を総合的に判断して審査をしているものと考えられます。

永住申請についてはたとえ申請が不許可となっても原則として現在の在留資格には影響はありませんので、一か八か申請してみるのも1つの方法ではあります。


Q 来日してから11年経過します。永住申請をしたいと考えておりますが、どうしても身元保証人になってくれる人が見つかりません。身元保証人が見つからない場合は永住を諦めざるを得ないのでしょうか?

A永住者」の身元保証人になれる人は、日本人または「永住者」のみとされています。

身元保証人については必ず必要ですのでどなたかになっていただくしかないのですが、入管法上の身元保証人については新入社員の入社時の身元保証とは異なり、民事的・刑事的な損害賠償責任まで負うものではありません。

入管法上の身元保証の内容については、①滞在費、②帰国旅費、③法令の遵守の3点のみであるので身元保証人となったからといって多大なリスクを覚悟しなければならないわけではありません。

この保証内容につき、身元保証人には正しい認識さえ持ってもらえれば、何とか身元保証人を見つけだすことは出来るのではないでしょうか。


Q 家族と一緒に来日して10年が経とうとしています。妻や子供の生活基盤が日本にあるため永住申請を考えているのですが、一点気になるのは、私は商社マンで、海外出張が非常に多く、また母国にある子会社の経営にも大きく関与しているため1年のうち、日本に居られるのは半年程度です。このような場合、家族全員で「永住者」の許可を取得することは可能でしょうか?

A 当該ケースの場合、問題となるのは日本での年間滞在日数です。

永住申請における年間の日本滞在日数については明確な規定はありませんが、帰化申請の場合の年間100日以上海外へ渡航していると許可取得が難しくなることに鑑みると、永住申請も帰化申請に準じて考えることが出来ます。

業務上の必要性につき、理由書を提出して、入管に納得してもらうしかありませんが、過去にも日本での滞在日数が極端に少ないようでしたら「継続して10年以上日本に在留していること」の要件を欠くことにもなり、許可はおりにくいと考えられます。

いずれにせよ、仕事が一段落し、日本で長期間過ごせるような状況になってから永住申請をされたほうがよいでしょう。


申請の重要なポイント


永住許可 永住許可申請に際しては、「素行が善良であること」が要件の1つとされていますので、申請以前に法律違反等があると許可を受けられない可能性がありますので将来的に永住許可を希望する場合には、普段から品行方正な生活を心掛ける必要があります。また、過去に表彰された経験や感謝状等を所持している場合は、審査のプラス材料となりますので、その写しを提出するとよいでしょう。

永住許可 永住許可申請中に在留期間が切れてしまう場合は、在留期間の満了日までに別途、在留期間更新許可申請をすることが必要です。

永住許可家族滞在」で在留している家族がいる場合には、家族揃っての永住許可申請が望ましいといえます。


上陸・在留手続の必要書類

在留資格認定証明書交付申請手続の必要書類

  • 【外国人本人】

1. 永住許可申請書
2. 申請理由書
3. 身分関係を証明する資料

  • 日本人配偶者は、日本人の戸籍謄本及び配偶者の本国における婚姻証明書または戸籍謄本
  • 日本人の子の場合は、日本人の親の戸籍謄本及び子の出生証明書または認知届受理証明書
  • 日本人の養子の場合は、日本人の親の戸籍謄本とその子の本国の戸籍謄本等
  • 永住者の配偶者及び子の場合は、戸籍謄本、婚姻証明書、子の出生証明書等
  • 定住者、家族滞在の場合は、戸籍謄本、婚姻証明書、子の出生証明書等

4. 住民票(日本人分)の写し
5. 申請人または申請人を扶養する者の職業を証明する資料

  • 会社等に勤務している場合は在職証明書
  • 自営業やは確定申告書の写し、営業許可証(ある場合)

6. 申請人または申請人を扶養する者の所得を証明する資料

  • 市県民税の納税証明書及び所得課税証明書~日本人及び永住者の配偶者等の場合は直近の1年分のみ、定住者や一般の申請者は過去3年間分必要となります。

7. 申請人または申請人を扶養する者の資産を証明する資料

  • 銀行預金通帳のコピーや残高証明書等、また株式を保有している場合は資産証明書の写し、不動産を所有していれば不動産登記簿謄本等。この場合、日本人または永住者の配偶者は提出は任意です。

8. 納税証明書所及び得課税証明書

  • 日本人または永住者の配偶者は直近の1年分のみ、定住者や一般の申請者は過去3年間分必要となります。

9. 身元保証人に関する資料

  • 在職証明書
  • 源泉徴収票または納税証明書及び所得課税証明書
  • 住民票の写し

10. その他あれば提出が望ましい書類

  • 表彰状、感謝状等の写し
  • 所属団体、企業等の代表者等が作成した推薦状
  • 各分野において貢献があることに関する資料

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