経営・管理
「経営・管理」の概要
「経営・管理」とは、入管法によれば、下記のように定められています。
- ①本邦において事業の経営又は管理に従事する活動
(「法律・会計業務」に該当する事業の経営若しくは管理に従事する活動を除く。)
この在留資格は、具体的には、社長、取締役、監査役、部長、工場長、支店長等で、事業の経営又は管理に関する業務を実質的に行う活動が該当します。
上陸許可基準について
「経営・管理」に係る上陸許可基準としては、以下の3つの要件が定められています。

申請人が次のいずれにも該当していること
- 1)申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。
⇒事務所、電話、FAX、コピー機、パソコン、広告看板、事務所以外の事業目的に適した施設や設備等が備わっていること
- 2)申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること
- イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する一人以上の職員 ※(日本人、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)が従事して営まれるものであること。
- ロ 資本金の額額又は出資の総額が3,000万円以上であること(法人の場合)
- ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること(個人事業者の場合)
- 令和7年11月改正 申請人又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有すること
- 令和7年11月改正 経営管理若しくは経営する事業分野に関する修士相当以上の学位を取得していること又は、事業の経営又は管理について3年以上の職歴を有すること
- 3)申請人が日本における貿易その他の事業の管理に従事しようとする場合
①事業の経営または管理について3年以上の経験(大学院において経営または管理に係る科目を専攻した期間を含む)を有すること
②日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
上記1)及び2)の場合においては、申請人の投資資金の形成過程、調達方法、本邦への持込方法等についても相当性の観点から大変厳しい審査がなされているのが現状であり、他の条件はすべて満たしていたとしても、これらの証明が不明瞭であるために不利益処分を受けることが多いのが現状です。
全てが自己資金で、まじめにコツコツ働いて貯めたお金であったり、自己の資産を処分して得た資金である等の綺麗なお金であり、投資目的のために正当な手続きを踏まえて資金を準備したことが良い心証を与えることになりますが、そうでないのであればそれなりの納得のいく証明が必要となります。
納得のいく証明をしたつもりでも、疑義を抱かれるようなことがあれば不利益処分がくだりますので、資金に関する証明がこの申請の難易度を高くしてしまっている感は否めませんが、とにもかくにも自己資金に関する証明は明白にしないことには許可は簡単にはもらえません。
「経営・管理」Q&A
Q,「1人以上の日本居住者である常勤職員がいること」が条件となっていますが、必ず日本人等の常勤職員は創業当初からいなければならないのですか?
A,令和7年11月の法改正前においては、実際に常勤職員が雇用されていることを求めるものではなく、あくまで事業の規模が、そのようなものであることを求める規定でしたが、同年同月の法改正施行後には日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の1名以上の雇用が必要となりました。
Q,申請前に、実際に日本に事務所として使用する施設は確保されていなければなりませんか?
A,原則として事業を営むための事業所として使用する施設が確保されている必要があります。
しかし、インキュベーター(経営アドバイス・企業運営に必要なビジネスサービス等の起業支援を行う団体・組織)による支援を受けており企業支援を目的に一時的な事業用オフィス(=インキュベーターオフィス)の貸与を受けている場合においては、その使用承諾書等の提出があれば、「事務所確保」の要件は満たされているとする取り扱いがなされています。
なお、平成27年4月1日以降は、海外在住の申請人が在留資格認定証明書交付申請をする場合には、事業所の確保がなされていない状態でも、これから会社を作り、許認可の取得や賃貸借契約等の事業を開始するための準備活動をするために、会社の登記が未了であっても、定款原案のみの添付資料をもってして在留期間が4か月の在留資格を得ることができるようになりました。
Q,創業が先ですか?許可または変更申請が先ですか?
A,平成27年3月31日以前までは、手続の順序で言いますと、まず最初に本店となる事務所を確保し、会社の設立、行政の許認可が必要な場合は許認可を原則として取得してから次に日本人等を雇い入れて、労働・社会保険に加入、最後に入管に対して「投資・経営」の在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更申請の流れでした。
飲食店経営、食品販売業、酒類輸入販売業や職業紹介業、中古自動車売買業、不動産業などは営業許可証が必要となりますので、計画している業種が営業許可の必要な業種かどうかでビザ申請をするまでの所要期間も変わってきます。
要するに、事業がすぐに開始できる状態にまで万全の準備をしてから入国管理局へ申請するのが従来までの唯一のやり方でした。
平成27年4月1日以降は、海外在住の申請人が、新たに日本において事業を開始する場合においては、先ずは本格的に事業開始のための準備活動をしてもらうため、創業関連手続が完了していなくても創業準備期間のための4か月の在留期間が付与されるようになりました。
ただし、既に日本に長期在留している外国人が事業を開始するために在留資格変更許可申請を行う場合には従来どおり、準備を全て終えてからの申請となるのは従来と変わりません。
Q,海外に居たまま、手続を進めていくことは可能ですか?
A,就労ビザの取得方法に関しては、外国人本人が外国で査証申請をする「査証事前協議による方法」もありますが、この方法によると審査に要する時間が長いため、「外交」や「公用」の在留資格を除いては一般的には殆ど利用されておりません。
平成27年3月31日迄は、日本国内で「在留資格認定証明書」を取得する方法が多く用いられていました。
この方法を利用した場合、一般的には経営者となる外国人自身が「短期滞在」等で一度来日し、日本にいる関係者や行政書士に手続を依頼した上で、開業の準備をひととおり終えた後、一旦は帰国して、在留資格認定証明書が送付されてくるのを待つことになります。
平成27年4月1日以降は、「短期滞在」等で一度来日後に、そのまま引き続き滞在して創業準備活動を行いたい場合には、在留資格変更許可申請が可能となり、一時帰国の必要性はなくなりました。
申請の重要なポイント
単なるブローカーのように業務委託を行うなどして経営者としての活動実態が十分に認められない場合は、在留資格「経営・管理」に該当する活動を行うとは認められないものとして取り扱われます。
令和7年法改正後の事業規模等に応じた経営活動を行うための事業所を確保する必要があることから、改正法施行後は自宅を事業所と兼ねることは、原則として認められません。。
「経営・管理」の在留資格に該当する活動とは、事業の経営や管理に直接参画することを指し、具体的には社長、取締役、監査役等の役員や部長、工場長、支店長等の組織の部署に相当するもので、管理監督業務に従事する職員が該当します。
複数の人が事業の経営または管理に従事する場合には、それだけの人数が従事することを必要とする事業規模、売上高、業務量、従業員数であることが必要とされています。