国際結婚の手続の流れ
ここでは、弊事務所でお問い合わせの多い、中国人の配偶者のケースで、①先に中国での結婚手続を済ませ(創設的届出)、②後から日本において諸手続(報告的届出や入管ビザ申請)をする最も一般的なケースです。
配偶者の方がビザなしで日本に来日することができない国の方との結婚の場合に多く用いられている手順であり、あくまで日本に配偶者を招へいして、日本で夫婦生活を送るご予定の方向けのものとなります。
国際結婚のための手続というと難しく考えてしまう方もおられますが、主目的は、お相手の方の本国の「結婚証明書」を発行してもらうことです。
「結婚証明書」は、婚姻後、日本における市町村役場への報告的な届出や、入管への在留資格認定証明書交付申請で必要な書類となります。
国によって、必要な提出書類が異なっていたり、結婚証明書が発行されるまでに、面接、健康診断、宣誓、結婚式等で国際結婚手続を取り扱っている官公署への出頭を要する回数に違いがありますが、一つ一つを確実にこなしていけば、決して難しいものではありません。
配偶者の方に本国で必要書類を揃えて送付してもらい、日本の市役所で婚姻届を先に提出する方法も可能です。婚姻届の提出は、夫婦で揃って届出をする必要はなく、夫婦のどちらか一方で、もしくは代理人でも可能です。
お仕事上の都合により、現地渡航のためのまとまった休みが取りづらい方は、先に日本の市役所で必要書類を揃えて報告的届出をしてしまうほうが労力的には楽ですし、コスト面でも節約となります(ベトナム等一部の国は除く)。
この場合には以下にに記載してある手続は一切不要となり、日本での婚姻成立後に、配偶者の本国の機関に報告的届出をして頂く形となります。
~までの手続は、配偶者の方の国籍によって異なります。
タイ、フィリピン、中華民国(台湾)、ベトナムの場合
タイ人との国際結婚手続は外部リンクで在外日本大使館のページへ飛びますのでご注意ください。
その他の国の場合、事前に在外日本大使館のWEBページや直接在外公館に連絡を取って頂きご確認ください。また、配偶者の方にも現地の公的機関における日本人の必要書類は何かを確認してもらうことが大切です。
婚姻要件具備証明書(≒独身証明書)の取得
取得場所は、最寄りの地方法務局となります。受付時間は8:30~17:00迄です。
この婚姻要件具備証明書を取得するには、以下のような書類が必要となります。
・戸籍謄本
・運転免許証、パスポート、健康保険証等の身分証明書
・印鑑
・結婚相手の身分が確認できる書面(提示のみ)
さらに、初婚でない場合には以下のような書面の発行請求も必要となります。
請求先;離婚(死別)当時の本籍地を管轄する法務局又は地方法務局
・再婚者の場合・・・離婚届書記載事項証明書(離婚届)
・再婚で死別の場合・・・死亡届記載事項証明書(死亡届)
婚姻要件具備証明書(独身証明書)は中国でも取得できます!
- 準備するもの(必要書類)
【本人(日本人)】
(1)パスポート(2)戸籍謄(抄)本…1通(3ヶ月以内)
【婚姻相手(中国人)】
(1)身分証明書(2)戸口簿
- 申請条件
本人による申請が必要
- 手数料
80元
- 交付日数
当日交付可能
- 代理人申請
不可
- 申請場所
中国国内の日本領事館で申請を行います。事前にご自身で連絡を取るなりホームページを調べるなりされることを推奨させていたただきます。
■在中華人民共和国日本大使館
(北京市建国門外日壇路7号)
Tel: (86-10) 6532-2361/Fax: (86-10) 6532-4625
■在重慶出張駐在官事務所
(中国重慶市渝中区民生路283号陽光大厦14F)
Tel: (86-23) 6373-3585~7/Fax: (86-23) 6373-3589
■在広州総領事館
(広州市環市東路368号花園大厦)
Tel: (86-20) 8334-3009, 8334-3090 (領事・査証班)/Fax: (86-20) 8333-8972
■在上海総領事館
(上海市万山路8号)
Tel: (86-21) 6278-0788/Fax: (86-21) 6278-8988
■在青島総領事館
(青島市香港中路59号 青島国際金融中心45階)
Tel: (86-532) 8090-0001/Fax: (86-532) 8090-0009
■在瀋陽総領事館
(遼寧省瀋陽市和平区十四緯路50号)
Tel: (86-24) 23227490/Fax: (86-24) 23222394
■在大連出張駐在官事務所
(遼寧省大連市西崗区中山路147号森茂大厦3階)
Tel: (86-411) 370-4077/Fax: (86-411) 370-4066
■在香港総領事館
香港中環康楽廣場8號交易廣場第一座46樓及47樓
電話: (852) 25221184/Fax: (852) 28680156
日本国外務省の認証
婚姻要件具備証明書は法務局が発行したものですが、この証明書を外国へ持っていくためには、日本の外務省、中国の大使館(領事館)双方での認証を受ける必要が有ります。
まずは、日本国外務省領事局領事サービス室証明班又は大阪分室にて公印確認(日本の公文書に押印された公印の確認証明)をしてもらいます。
認証の申請及び受け取りの方法は以下の3つがあります。
- 窓口で申請して、後日、窓口で証明書を受け取る。
- 窓口で申請して、後日、郵便で受け取る。⇔ 郵便で申請し、後日、窓口で証明書を受け取ることはできない。
- 郵便で申請して、後日、郵便で受け取る。☞所要2週間程度かかる
申請用紙はこちら
証明手数料は無料です。
- 申請窓口
- (東京)
〒100-8919 東京都千代田区霞が関 2-2-1 外務省南庁舎1階
外務省 領事局 領事サービスセンター(証明班)
- (大阪)
〒540-0008 大阪市中央区大手前 2-1-22
外務省 大阪分室(大阪府庁3階)
- 必要書類
- 婚姻要件具備証明書 (原本)
- 日本人のパスポートのコピー
- 運転免許証等の身分証明書のコピー
中国大使館(領事館)の認証
駐名古屋中華人民共和国総領事館で認証をもらいます。
これは本人が直接領事館へ行かないと申請はできません。
- 手順
1.中国領事館に行き、申請書に記入する。
2.申請書をもって受付に行きパスポートを提示する。
3.即日発効(申請日の午後に交付)は7000円、翌日発行は 6,000円、4日後の発行は 3,000円、後日郵送もしてもらえます。
4.受取の場合は再び中国領事館へ行きます。
5.印紙を購入し、受取窓口に行き、証明書をもらう。
- 必要書類
①婚姻要件具備証明書 (原本)
②日本人のパスポートのコピー
③運転免許証等の身分証明書のコピー
中国の婚姻登記処にて婚姻の登記を行う
下記の書類を準備し、これらを持って、中国で結婚の手続きを行います。
- 【日本人配偶者】
認証済の婚姻要件具備証明書 ※中国で取得したものは認証不要
パスポート
・戸籍謄本
・住民票
・在職証明書※
・納税証明書※
※在職証明書、納税証明書については実際に不要だったという報告がありますが、念のため持参されておかれたほうが良いでしょう。
- 【中国人配偶者】
・本人の身分証
・戸口簿
結婚登録が完了すると結婚証明書(結婚証)が発行されます。
必要書類が異なる場合があるので、必ず、管轄の婚姻登記処で事前確認ください。
中国の民政局にて結婚公証書を発行してもらう。
中国で婚姻が済んだあとは、結婚証明書(公証書)を発行してもらいます。
日本の市役所に結婚届けを提出
中国の日本大使館・領事館に届出を出すか、または、日本に帰国後、本籍地の役所または住所地の役所に「婚姻届」に下記の書類を添付し、提出します。
- 必要提出書類
・婚姻届
・日本人の戸籍謄本(住所地に出す場合)
・婚姻証(中国で受領した赤い手帳)または結婚公証書(日本語翻訳付のもの)
・国籍証明書(日本語翻訳付のもの)
・出生公証書(日本語翻訳付のもの)
cf.富山県富山市の外国人との婚姻の場合の報告的届出について
現地の大使館や領事館に出しても良いのですが、帰国後、役所に提出するのが一般的です。
ここまでで、お互いの国に結婚の届出・報告ができたことになります。
在留資格認定証明書交付申請(日本の入国管理局)➤査証の申請(中国国内の日本国大使館、領事館に申請)
婚姻の手続が全て完了したら、住所地の入国管理局に在留資格認定証明書交付申請をします。
在留資格認定証明書が交付されたら、それを海外にいる配偶者にEMS等で送付します。
配偶者は在留資格認定証明書を持って、在中国日本大使館等にビザの発給申請をします。
イ.申請書(査証室窓口に用紙があります) 1通
ロ.パスポート
ハ.写真(縦4.5×横3.5~4.5) 1枚
二.婚姻経緯書(査証室窓口に用紙があります)
ホ.在留資格認定書の原本及びコピー 各1通
ヘ.結婚公証書の原本及びコピー 各1通
在留資格認定証明書は交付年月日から3ヶ月以内にビザを取得して来日を果たさないと証明書の効力が失効してしまいます。ビザの発行には所要10日前後かかりますので認定証明書発行後は速やかにこれらの一連の手続を済ませるように心掛けねばなりません。